除鉄・除マンガン装置とは?メリットや特徴について詳しく解説

日本国内の地下水の多くには鉄やマンガンが多く含まれていますが、そのままでは褐色のような色がつき味も悪くなるため、飲み水には適しません。

 

この地下水の中の鉄やマンガンを除去する、除鉄・除マンガン装置というものをご存じでしょうか。この記事では除鉄・除マンガン装置のメリットや、特徴について詳しく解説します。

除鉄・除マンガン装置とは?

日本国内の地下水には鉄やマンガンが多く含まれているため、そのままでは色が褐色であるだけでなく、味も悪く飲料水には適しません。そのため鉄やマンガンを取り除く処理を行うのが一般的で、その際に用いるのが除鉄・除マンガン装置です。

除鉄・除マンガンの仕組み、原理について

井戸水などから鉄やマンガンを取り除く方法は、薬品を使う一般的な方法と、薬品を使わずに特殊なフィルターを使用する方法の2種類があります。ここではそれぞれの仕組みや、原理についてわかりやすく解説していきましょう。

 

一般的な除鉄・除マンガンの仕組み

井戸水や温泉水に次亜塩素酸ナトリウムという酸化剤を注入し、水中に含まれる鉄やマンガンを酸化させることで固体化します。酸化剤を注入したものをフィルターに通して、物理的なろ過を行うのが一般的な方法です。

 

次亜塩素酸ナトリウムは一般的には塩素と呼ばれている物質で、水道水や公共のプールの水などにも含まれています。

 

塩素を使わない除鉄・除マンガンの仕組み

次亜塩素酸ナトリウムを使わない除鉄処理方法のことを、接触酸化方式といいます。この方式で用いるフィルターは、天然鉱物のみで作られていて強い酸化力があり、無害・非溶出性のものが使われています。水道水に溶けだす心配もなく安心です。

 

ろ過すると同時に天然鉱物に触れることで酸化させて、鉄を取り除く方法です。薬品を注入する工程がないので、塩素独特のにおいがしない水道水ができます。

除鉄・除マンガン装置を使用するメリットは?

除鉄・除マンガン装置を使うことで得られるメリットは、数多くあります。ここでは3つのメリットを紹介していきましょう。

 

水道水の味や透明度が向上する

鉄やマンガンが多く含まれている水道水は汲んですぐは無色透明ですが、しばらく置いておくと酸化して褐色になります。また鉄臭く風味も悪いため、飲み水や生活水として使用するのには躊躇するでしょう。しかしながら、除鉄・除マンガン装置を使用することで、色も味もよい水道水になります。

 

水道管がつまるのを防ぐ

水道水に鉄やマンガンが多く含まれていると、水道管に酸化物が付着して配管が閉塞してしまったり、付着した酸化物が水道水に混入したりする可能性があります。ところが鉄やマンガンを取り除く処理をしておくことで、これらを未然に防げるようになるのです。

 

資源の有効活用ができる

島国である日本は海に囲まれているため水が豊富にありますが、それでも資源というものは有限です。また海のない内陸地でも水は必要であるため、地下水や温泉水を利用することは必要といえるでしょう。除鉄・除マンガン装置を使用することで、それらを容易に有効活用できます。

除鉄・除マンガン装置の特徴について

除鉄・除マンガン装置がどのようなものなのか、どういった特徴をもつ装置なのか想像できない方もいるかもしれません。ここでは装置の特徴を、いくつか紹介していきましょう。

 

ろ過材・フィルターは定期的に交換が必要

ろ過材には、砂に除鉄作用や除マンガン作用のある物質をコーティングしているものがあります。ろ過材・フィルターは定期的に全自動逆洗機能という、吸着した鉄やマンガンをそぎ落とす機能があるのですが、その際にコーティングがはがれてしまうことがあります。

 

また長期間使用すると逆洗機能ではそぎ落としきれない、強固な付着物がついてしまうことがあります。そうなると除鉄・除マンガン作用が弱くなってしまい、確かな処理ができなくなってしまうので定期的な交換が必要です。

 

使用するろ過材によって交換する頻度が異なるので、装置を導入する際にはどれくらいの使用期間でろ過材・フィルターの交換が必要になるのかなど、ランニングコストを確認しておくとよいでしょう。

 

薬品の注入量は微調整が必要

鉄やマンガンを酸化させるときに使う薬品は、多すぎても少なすぎても除鉄処理がうまくいきません。そのため水質ごとに、量を調整する必要があります。事前に水質調査を行ったうえで薬品の量を調節し、現地でも処理状況に応じて微調整を行いましょう。

 

一般家庭でも設置が可能

装置と聞くと大掛かりなものをイメージしがちですが、除鉄・除マンガン装置はコンパクトなタイプのものもあるため、一般家庭でも設置ができます。

 

水道代節約のために井戸を掘ったものの、水質が悪くて飲料水として使えないという場合もあるでしょう。その際にも除鉄・除マンガン装置を使うことで、水質を改善できます。

まとめ

今回は除鉄・除マンガン装置のメリットや、特徴についてご紹介しました。地下水を飲み水に変えるためには不可欠な装置であることが、ご理解いただけたと思います。導入を考えている方はそれぞれのろ過材や、装置の特徴を比較したうえで各施設、各家庭に合った装置をみつけていきましょう。

 

「株式会社レスコ」の製品は、コンパクトでランニングコストが低く抑えられるのが特徴です。薬剤不要で除鉄・除マンガン効果が高いという評価を、国内外からいただいております。ぜひとも導入をご検討ください。